クラフトビールを楽しむ為の用語集です。クラフトビールにはさまざまな用語があります。家族や友人と飲んだり語り合ったりするときに言葉を知っていると、その世界がぐっと深まります。ここではちょっとツウを気取れる言葉をピックアップしました。
あ行
IPA(あいぴーえー)
インディアペールエールの略で強烈な苦みと香り、若干高めのアルコール度数が特徴的。イギリスがインドの植民地化を進めていた18世紀末頃、イギリスからインドまでの海上輸送中に傷まないよう、防腐効果を持つホップを大量に使用して醸造されたのが始まりとされるペールエールの一種。
IBU(国際苦味単位)
International Bitterness Unitの略語で国際的な苦味の単位のこと。値が大きいほど苦みが強いビールになる。
アセトアルデヒド
二日酔いの原因とみられる有害物質。アルコール飲料を生成時に含まれる物質。
アルコール度数
飲料におけるアルコールの割合。%で表現される。英語ではABV(Alcohol By Volume)という言葉で表現される。
アロマ
アロマとは香りのことで、特に口に含む前に鼻で感じるホップやモルト、発酵時に生成されるエステルの香りのことをいい、口の中に入れたときに感じる香り(フレーバー)とは区別される。
インペリアルスタウト
19世紀にイギリスから帝政ロシアや北欧、バルト諸国に輸出されていたことからその名がついたビール。IPAと同じく海上輸送期間中に傷んでしまうのを防ぐため、高めのアルコール度数と濃厚な味と香りに仕上げているのが特徴。
ヴァイツェン
ヴァイツェンとは、ドイツ語で小麦を意味し、小麦麦芽を50%以上使用して上面発酵で醸造したビール。フルーティーな味わいに加えて、苦みも少ない事から苦みを嫌う人にもおすすめのビール。
エール
15~25℃の発酵温度で作られる、上面発酵酵母を使用したビールのこと。大麦麦芽を使い、酵母を常温(下面発酵よりも高温)で短期間で発酵させる。複雑でフルーティーな香りが特徴で下面発酵のラガーよりも甘味とコクがある。
SRM(エスアールエム)
ビールや麦芽の色(色度数)を表す指標のひとつ。Standard Reference Method(標準参照法)の略で数値が高いほうが色が濃い。また、色を表す指標としては、主にヨーロッパではEBCという指標も用いられることがある。SRMとEBCの関連は「SRM=EBC×0.508」となっている。
エステル
発酵中に酸とアルコールから生じる化合物。バナナや洋ナシ、リンゴのようなフルーティーなアロマをもたらす。
オクトーバーフェスト
9月後半から10月上旬にドイツのミュンヘンで開催される世界最大級のビールの祭典。
オフフレーバー
ビールに発生する好ましくないにおいのこと。発生の原因には不適切な醸造によるもの、バクテリアなどの汚染によるもの、不適切な保管によるものがあげられる。
オンタップ
ビールが樽から提供されているということ。現時点で生で飲めるビールのこと。瓶や缶ビールは異なる。バーなどの飲食店で、今日は5オンタップと言えば、今日は5つのビールが樽から提供されているという意味。
か行
外観
ビールを表現する用語のひとつで、ビールの色合い、透明感、泡の状態など、グラスに注いだ状態をさす。スタイルごとに良いとされる基準が異なる。
下面発酵
→ラガー
カラメル香
ハチミツ、バタースコッチ、醤油、チョコレート、コーヒーに似た香りの総称。モルト由来の香りであることが多い。
キャラクター
個性、持ち味のこと。モルトやホップの個性を表す際に用いる。
クラフトビール
ビール職人によって、流通量や万人受けする味にとらわれず作られるビール。日本で地ビールと呼ばれるビールもここに分類されると考えられる。
酵母
ビールづくりに欠かせないもので、糖分をアルコールと二酸化炭素に分解する微生物のこと。上面発酵酵母は、発酵の際に炭酸ガスの泡と共に表面に浮かぶ。一方、下面発酵酵母は発酵後期に凝集して底に沈む。
コク・キレ
味の表現方法のひとつで、香りと味のバランスを表す言葉。糖分を残した味の濃いものを「コクがある」、残さずにスッキリ感を高めたものを「キレがいい」と表現する。
国際苦味単位
→IBU
小麦ビール(ウィートビール)
大麦麦芽のほか、小麦麦芽や小麦を用いたビール。ドイツのヴァイツェン、ベルギーのホワイトエールが有名。
コリアンダー
せり科の一年草。果実や葉を乾燥させて使用する香辛料で、独特の芳香をもつ。タイ料理ではパクチーと呼ばれるもの。ベルギーのホワイトエールなどの副原料に使用される。
さ行
サワービール
野生酵母、乳酸等を使って発酵させた酸味の強い酸っぱいビールのこと。
自然発酵
エールやラガーのような培養した酵母を使用せず、自然中に浮遊する野生酵母を使用した醸造方法。ベルギーのランビックが有名。
ジャパンアジアビアカップ
1998年から開催されているアジアのビール鑑評会(旧ジャパン・アジア・ビアカップ)。日本およびアジアで生産されているビールを対象として審査される。
上面発酵
→エール
白ビール
大麦ではなく小麦を使用し作られたビールのこと。口当たりがソフトかつフルーティーな味わいが特徴で、ヴァイツェンが有名。
スタイル
ビールの分類法のこと。原料や製法、アルコール度数、色、香り、苦味などによって分類される。
スタウト
ローストしたモルト等を使用し、黒色で濃厚な味が特徴的。
スモークビール
別名燻製ビールとも呼ばれ、モルトを燻製して醸造されるビール。ラオホビールがそのひとつ。
セゾン
ベルギーの上面発酵ビールのスタイルの1つ。元々は、夏の農作業中に飲むために、比較的アルコール度数の低いビールを冬場に醸造していた。現在では様々なセゾンスタイルが存在する。
セッションエール
伝統的なスタイルの特徴をもちつつ、アルコール度数を下げ、ボディも軽めに仕上げた飲みやすいビールのこと。
た行
タップ
ビールサーバーの注ぎ口のこと。
タンニン
麦芽などに含まれるポリフェノールの一種。これが酸化すると渋みやビールの変色が発生する。
糖化
ビールの製造工程のひとつ。麦芽中の酵素の働きにより、デンプンを分解し糖に変えること。
ドライホッピング
ビール製造過程の製法の1つ。発酵終了後の熟成段階においてホップを直接投入することでフレッシュなホップの香りをつける製法。
ドラフトビール
熱処理をしていないビール。「生ビール」と同義で使われることもあるが、ドラフトとは英語で「くみ出す」を意味し、本来は樽からくみ出したビールをさす言葉。
な行
生ビール
熱処理をしていないビールのこと。
は行
ハイブリッド
ビールの醸造方法のひとつ。原料や醸造方法を混合させて、スタイルを限定しないものをさす。
パイント
容量の単位。1パイントの容量で作られらグラスをパイントグラスといい、主にイギリスとアメリカのビールに使用される。ただし、イギリスとアメリカでは同じパイントでもサイズが異なり、イギリスパイントは568㎖、アメリカパイントは473㎖。
麦芽(モルト)
ビールの主原料のひとつ。麦を発芽させたもの。
発酵
ビール醸造工程のひとつ。モルトから作られた麦汁に酵母を加える工程を発酵と呼ぶ。酵母が糖をアルコールと二酸化炭素に分解し、ビールが作られていく。
ピルスナー
チェコ発祥のビール。軟水を使って下面発酵によって醸造される淡い黄金色をしているのが特徴。
副原料
ビールの原料のひとつで、主にビールの味の調整に使用される。日本では酒税法により、ビールに使用できる副原料が「麦、米、トウモロコシ、デンプン、糖類、着色料、苦味料」と定められている。他の副原料を使うと「発泡酒」表記となる。
ブルーパブ
醸造所を備えたビアパブのこと。その場で醸造している為、できたてを味わうことができる。
ブルワリー
ビールを作る醸造所。
ブルワー
ビールを作る職人。
ブルーマスター
醸造責任者。ヘッドブルワーとも呼ばれる。
フレーバー
ビールを表現する用語のひとつで、鼻で感じる香りと舌で感じる味をあわせたもの。「香味」ともいう。
ペアリング
ビールと食のおいしい関係を表した言葉。
ペールエール
18世紀にイギリスの代表的なビールとして飲まれていた上面発酵によって醸造されたビール。ペールは淡いという意味で、当時一般的だった黒ビールに比べて淡い色合いをしているため、そう呼ばれるようになった。
ホッピング
ビールの製造工程のうち、ホップを投入する工程のこと。その方法やタイミングによってビールの味や香りが大きく変わる重要な工程。
ホップ
ビールの原料のひとつ。ビール独特の苦みや香りを生み出し、防腐作用にも役立つ。
ボディ
ビールを表現する用語のひとつ。のどを通る感覚など味わいの強弱をさす。
ま行
モルト
→麦芽
や行
野生酵母
空気中に浮遊している天然の酵母で、自然発酵に使用される。
ヨーロピアンビアスター
2004年から開催されている欧州最大のビールコンペティション。
ら行
ラガー(下面発酵)
4~10℃前後の温度で作られる、下面発酵酵母により発酵させる醸造方法。これにより作られたラガービールはスッキリとしたシャープな飲み口が特徴。日本の大手ビールメーカーのビールの多くはこのタイプ。
ラオホビール
ドイツが発祥の燻製させた麦芽を用いて作られるビールのこと。
わ行
ワールドビアカップ
1996年よりアメリカで2年に1度開催される国際的なビールのコンペティション。ビールのオリンピックとも呼ばれ、ビールのコンペティションの中でも最も出品数が多いとされている世界最大規模の品評会。