発酵や腐敗が微生物によって起きると解明したのは、「近代細菌学の祖」といわれる19世紀フランスの科学者、ルイ・パスツールです。1866年、パスツールは微生物の働きを止めてワインの変質を防ぐ、低温殺菌法を発明しました。
ビールがどこでも飲めるように!!
パスツールはさらに1876年、「酵母という微生物」が活動することで発酵が起こることを発見し、ビールの劣化も、バクテリアや雑菌の働きが原因であるとし、ビールでも低温殺菌法が応用できるとしました。今日では、低温殺菌法はパスツールの名から「パストリゼーション」と呼ばれ、ビール以外に牛乳などの製造にも広く使われています。
この低温殺菌法は、ビールの保存期間や輸送範囲を劇的に広げました。それまでは「ビールは醸造所の煙突が見えるところで飲め」(ドイツの古いことわざ)と言われるように、作られた場所の近くでしか香りや味が保てなかったのですが、低温殺菌法により、製造場所にかかわらず、どこでも飲めるようになりました。
近代ビールの三大発明
ビールをいつでも作れるようにしたリンデの「アンモニア式冷凍機」、どこへでも運べるようにしたパスツールの「低温殺菌法」、安価に大量に作れるようにしたハンゼンの「酵母純粋培養法」の3つは、のちに「近代ビールの三大発明」と呼ばれます。
リンデの「アンモニア式冷凍機」、ハンゼンの「酵母純粋培養法」については、下記の記事に記載していますので、あわせて読んでみて下さい。
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