ビールは紀元前4000年頃には既に飲まれていたと言われています。メソポタミアで人類が農耕生活を始めた頃、収穫した麦を粉にしてパンを焼いたり、水に溶き、加熱して粥などにしていたようです。残ったものに、自然界に存在する野生酵母が入り込み、自然に発酵したのが、ビールの起源と言われています。
最古の記録は紀元前3000年頃、メソポタミアのシュメール人が残した『モニュマン・ブルー』と呼ばれる粘土の板碑で、これにくさび形文字で当時のビールの造り方が下記のように描かれています。
①麦を発芽させて麦芽を作り、乾燥させてから粉にする。
②出来た粉からバッピルと呼ばれるパン(ビールブレッド)を焼く。
③パンを砕き、水を加えて混ぜ合わせ、固形物を取り除く。
④残った液体が野生酵母により自然に醗酵してビールが出来上がる。
当時のビールはシカルと呼ばれ、そのまま飲むだけでなく、薬草や蜂蜜を入れて薬や滋養食品としたり、神様へのお供え物や賃金の現物支給にも使われました。また、バッビルはそのまま保存出来ましたし、気温が高いこの地方では、生水よりも安全性、栄養価とも高い飲み物とされていました。